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2012-08-01

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判例

人身傷害補償保険金支払請求訴訟について

人身傷害補償特約(自動車保険の特約で付保されている方も多いと思います)の契約者が、タクシーから降車中に転倒し負傷した事故に関して、これが「自動車の運行に起因する事故」に該当するのかどうかが争われました。最高裁は、2012年7月10日、損害保険会社の上告受理申立を却下し、運行起因性を認めた大阪高裁2011年7月20日判決(前坂光雄裁判長)が確定しました。
1審(奈良地裁葛城支部)は、運行起因性を否定しましたが、控訴審(大阪高裁)は、「自動車の駐停車中の事故であっても、その駐停車と事故との時間的・場所的近接性や、駐停車の目的、同乗者の有無及び状況等を総合的に勘案して、自動車の乗客が駐停車直後に遭遇した事故については、「自動車の運行に起因する事故」に該当する場合があると解するのが相当であるとし、その上で、タクシーという自動車の性格等を吟味し、最終的に自動車の運行に起因する事故であったという結論を導いております。
この訴訟は、兒玉修一弁護士が担当しました。