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2011-10-15

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判例

偽装請負業者の損害賠償責任を認める

 2011年9月29日、奈良地方裁判所(一谷好文裁判長)は、同県大和郡山市内の工場に、長期間、「偽装請負」状態で、労働者を送り込んでいた派遣元会社(アドバンテック株式会社他)に対し、慰謝料等金165万円の支払いを命じました。
 判決は、派遣元会社について「・・約5年9か月の長きにわたって違法な派遣労働下において就労させ、・・自らの雇用主すら不明確な状態に置くなどしていたのであり、これらの行為は、それぞれ労働関係法規の趣旨に反するものとして、原告に対する不法行為を構成する・・」としています。
 松下PDP事件最高裁判決以降、派遣労働の分野では厳しい判断が続いておりましたが、派遣元に対してのみとはいえ、一定額の損害賠償を認めたことは、一歩前進と評価できそうです(なお、派遣先とは和解済みでした)。
 この訴訟は、村田浩治弁護士、藤井恭子弁護士(いずれも大阪弁護士会)、及び兒玉修一弁護士が担当しました。