ホストファミリーと私 (弁護士兒玉修一)

今年は、数年前に私の家にホームステイしていた学生が再来日し、長期滞在することになっています。実は、私の家では、ひょんなことから、これまで数人のホストファミリーになっています。ゲストは、フランスのグランゼコール(大学のようなもの)で日本語を選択している20歳前後の学生がメインです。
もちろん、私自身のフランス語能力はゼロなんですが(第2外国語も何を思ったのかロシア語を選択。しかしロシア語能力もゼロ)、一方で、来日当初の学生らの日本語能力もなかなか厳しいことが多いです。その結果、日本語英語とiPhoneの翻訳ソフト、フランス語会話集を頼りに、お互い悪戦苦闘しながら、どうにかコミュニケーションをとる毎日がつづきます。
しかし、学生らが、夏休みの1~2か月の滞在期間中に、一気に日本語能力を向上させ、帰国する頃には、それなりに会話できるレベルに到達するのには、毎年、感心させられます。
ちなみに、学生らにとっては、実は、小さな子どもがいる家庭に滞在するのが有利です。子どもは、外国人だからといって遠慮なく、ガンガン日本語のシャワーを浴びせてきますので、無理矢理、これに対応することで、いつの間にか鍛えられます。大人は、どうしてもブレーキをかけてしまいます。しかも、子どもは語彙量が少ないのも学生には丁度いいみたいです。
そんなこんなで、一緒に出かけたり、勉強したり、料理を作ったり、お酒を呑んだりすることで、徐々に、お互いの「人となり」が分かってくると、だいたい「お別れ」の時期になります。帰国のときは、関西空港まで送っていくのですが、妻は、毎年、出国ゲートの前で泣いています。私は「また会えることもあるやろ」と思っていますので、少し寂しくはありますが、泣くことはありません。今は、SNSのお陰で、帰国後の様子も、ある程度分かりますし。
それでも、留学や仕事、観光などで、再来日してくれることは、とてもうれしいものです。というわけで、今は、どこに出かけようか、何を食べようかと、あれこれ思案しながら、楽しみに待っているところです。